事務所の隣は大きな公園だ。犬の散歩をしている人が多い。
大型犬の場合は運動量を多くしなければならないのだろう、バットでボールを遠くまで打ち、取りに行かせたりしている。
巨体を揺らして取りに行ったのはピットブルだった。近くに来られると少し怖い。またある時は、毛がふわふわした大型犬がいた。
ゴールデンレトリーバーとプードルを掛け合わせてできたゴールデンドゥードルだった。犬種ができて40年くらいらしい。
プードルの人懐っこさとゴールデンレトリーバーが持つ賢さとを備えたミックス犬だ。初対面の私にシッポを振ってなついてきた。かわいい。写真は子犬。
犬は「楽しい」・「うれしい」・「安心する」など、プラスの感情が伴った記憶はずっと覚えていられる動物だといわれている。
そのため、愛情をもってお世話をしてくれた飼い主さんのことは、たとえ離れることがあっても生涯忘れることはないようだ。
童話で忘れることのできない印象的なシーンがある。
主人公のセドリックは、アメリカ人と結婚したために勘当された父と早く死別し、ニューヨークの裏街で母と2人で暮らしていたが、頑固なイギリス貴族の祖父ドリンコート伯爵に跡継ぎとして引き取られる。
セドリック少年が祖父ドリンコート伯爵に初めて会う場面。大きな屋敷の伯爵の部屋には大きな犬がいた。
その犬はセドリックを見ると、静かに寄っていきセドリックの隣に立った。祖父は驚いた、普通は知らない人には警戒するのにと。
犬はセドリック少年がその父親と風貌や匂いが似ていることに気づいたのだ。
この犬はグレートデン<Greatdane>だろう。がっしりした骨格で筋肉質の大型犬だ。
バーネット夫人(Burnett, Frances Eliza)が1886年に書いた児童向け小説『小公子』)だ。バーネット夫人はきっと犬好きだったのだろう。
朝に散歩をしていると、犬に出会う。
ゴールデンレトリーバーは愛想がいい。私のほうに寄って来るが、リードを持ったおねえさんはギリギリ自分のほうに引き寄せる。
二頭引きの人もいる。
自宅の近くの二匹とコースの半分でのところで二匹。それぞれの二匹は行動が似ている。散歩させるのはそれほど大変ではないようだ。
散歩中にはよく猫にも出会う。野良猫ではなく、放し飼いの飼い猫のようだ。
警戒心は強い。猫は別に好きではないので、なでたりしたいとは思わないが。
そんな私でも、猫好きの友人に誘われて東北随一の猫島である石巻市の田代島に行ったことがある。
田代島は石巻市中心部から約17キロメートルの距離にあり、フェリーで40分ほど。コバルトブルーの海に囲まれ、風光明媚な自然を満喫できる島だ。
島では大漁の守り神として猫をとても大切にしており、猫を祀った「猫神様(猫神社)」が島の中央にある。人の数より猫の数が多い。
友人はフェリーから島影が見えた時から興奮状態。
田代島には北東部の「大泊港(おおどまりこう)」と南東部の「仁斗田港(にとだこう)」という2つの港がある。両港は、徒歩で行き来できる距離。
ネコ出現率が高い「仁斗田港」。
大半の観光客はここで下船します。我々も下船。
波止場では猫がいっぱいお出迎え。のんびりとしていて、寝ているのが多い。
ここから島の中央の道を通り「猫神社」や「島の駅」など観光名所を眺めて、大泊港に行き、帰りは海沿いの道を帰るルートを選んだ。
人家の周りや道端に猫がゆっくり寝ている。「島の駅」まではゆったりした上り道。周りはうっそうとした自然林。その林から猫が出てきたりする。
「島の駅」から少し歩くと「猫神社」がある。ここにも猫がいる。
観光客は多い。老若男女、中年の男性と若い女性(不倫のカップル?)、猫じゃらしのごときものでじゃれていたり、大型カメラで本格的に写真を撮っている人もいる。
我々は枯れススキであやそうとしたが、あまり興味をしめさない。
猫好きの人にとってはパラダイスだ。
行くときは猫じゃらしなど猫と遊ぶ道具を持っていくとよい。
猫に餌を与えるのは禁じられているので、猫フードなどは不要。
(和)