秋が深まった、自然に帰れ!

〇フジバカマ

秋の七草は万葉集に収められている山上憶良の二首の歌が始まりです。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」(万葉集1537)

「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」(万葉集1538)

春の七草は七草粥が今でも好まれていたりして、七草の名前を言える人は多いのですが、秋の七草を知っている人は意外との少ないものです。

知っていると、“万葉集の山上憶良だよ……”と少し自慢げに言うこともできます。

朝貌の花は桔梗のことだとする説が有力です。

藤袴は野生で見ることはまずありません。

私は仙台市の野草園で見たのが初めてでした。

東京向島の「百花園」でも見ることができました。「百花園」は江戸時代には文人墨客のサロンとして利用されました。

園内には多数の野草が植えられていて、とくに秋の草花の美しさで知られていました。スカイツリーの近くです。

藤袴について事務所の大家さんである花屋のイーストガーデンさんに聞いたら、切花はよく入荷するそうです。

写真はイーストガーデンさんから頂いたものです。

〇チョウゲンボウ

仙台市の六郷から七郷にかけて田んぼが広がっています。

買い物の時時々通りますが、先日久しぶりにチョウゲンボウを見かけました。

チョウゲンボウはハヤブサ科に分類される猛禽類です。

鳩ぐらいの大きさですが、ネズミや小鳥などを捕えます。

カラスとケンカしているというか、じゃれ合っていましたね。

以前会社勤めの時は朝晩ここを通っていましたが、チョウゲンボウはよく見られました。

狩りをしている姿や、スマートな飛翔を楽しめたものです。

秋から冬にかけて、狩りをする鳥はいつも一羽でいます。

モズや渡り鳥のジョウビタキなども一羽でいます。

ノスリは年中一羽でいて、孤独な鳥だと思います。

モズの高鳴きというものがあります。

秋になると木の高いところや電柱などで、

「ギギギギ!」や「キィーキィー!」と複雑で奇妙な鳴き声を発します。

これが高鳴きです。

オスメス関わらず自分の縄張りを1個体単位で作るようです。

〇松島の紅葉

昨年は栗駒山に二回行きましたが、春と夏に行ったので日本一の紅葉は見ることができませんでした。

しかし紅葉は栗駒だけではありません。

松島には絶好の紅葉狩りのスポットがあります。

双観山の背後にある高地で、山頂からは松島湾の入り江が扇のように浮かんで見えることから、 扇谷と呼びます。

松島の全景が眺められるポイントのひとつ。

頂上に藩主の茶亭跡もります。

仙台から45号線を松島に向かって進み右に双観山があるところを左に入ります。

頂上付近にパーキングはありますが数台しか駐車できません。

山を登って行く途中の少し広いところで路肩に駐車。

松島では円通院の紅葉が素晴らしいです。

華やかな紅葉を見て、ふとさびしい気持ちになるときがあります。冬を感じるからでしょうか?

常(つね)にして人は見らんか 紅(くれない)に 綾(あや)なす山に雪降りせまる

斎藤茂吉歌集 [暁光](昭和11年)より

我々東北人にとって紅葉の美しい景色の中で雪が降ってくる光景を見ることは稀ではありません。

茂吉は “常に人は見るだろうか、いや見ないだろうな…” と感動して歌ったわけです。

そこで私は書の小品を作りました。

嶋渓翠先生の社中展で銀座で飾られた作品です。

今は事務所の二階に上がって正面に飾っています。

(和)